去年に引き続き、初夏のバヤンウルギー県と中央モンゴル地域、今回はドンドゴビ県へも駆け足で取材してまいりました。主に、ようやっと着手できたプロジェクトのためがメインでした。
兼ねてからのライフワークである、妊婦さん『大地に住まう母』を追いかけることによって派生した新プロジェクトです。
私は、カザフ人の生活に、お母さんの手仕事が根付いてることに静かな感動を覚えていました。
遊牧生活に欠かせない外着の「チャパン」。ハレの日には、カザフ文様の刺繍が施されたチャパンを着ます。街で既製品も売られていますが、お母さん、奥さんの手仕事で誂えられるものです。チャパンだけではなく、ハレの日の衣服全般に刺繍は施されています。
私は、この「チャパン」を通して見える世界を追いかけることにしました。
そして、もう一つ。
カザフ人の地、バヤンウルギーで10年前に出会った「トゥスキーズ」。遊牧民の移動式住居、ウイの中、際立って目についた壁に飾られた刺繍布がそれでした。
この壁掛けは、お母さんから娘へ送られるものの一つです。奥さんたちが自分の家用にも誂えてます。いろんな想いが込められているんだよ、そんな話を聞きました。
お母さんの想いが、宇宙までつながっているように感じるトゥスキーズ。それを、私は自分の家族へのそれと重ね、母としての自分自身も含め、母の想いの形を追いかけることになりました。
妊婦さん『大地に住まう母』を撮り始め12年経過。沢山のことに出会いました。私にとって、全ては同一線上にあります。今回は短期間のモンゴルの西地域、バヤンウルギー県滞在でしたが沢山勉強になりました。
お披露目できるまで、少しずつ報告をしていきたいと思います。
旅の後半は次の記事に。
Text by Kei Hompo